岩手旅行- 遠野伝承園、オシラサマ千体に目を見張る

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遠野伝承園
遠野伝承園は、遠野民俗文化のテーマパーク。今回、遠野で訪れた場所の中で、ここだけは観光バスが何台も駐まって団体観光客でいっぱいだった。きれいに整備されたテーマパークではあるが、この中にナマの暮らしがあるわけでなく、人工的で今ひとつ心に響くものはなかった。

ただ一点。ここの見所である1000体のオシラサマは壮観だった。

オシラサマ(遠野伝承園)
オシラサマは東北地方、中でも青森県、岩手県で信仰されている家の神。蚕の神、農業の神、馬の神といわれている。ご神体は、30センチほどの桑の木の棒の先に人や馬の顔を描いたり彫ったりし、布で作った衣を着せている。

遠野伝承園のオシラ堂では、部屋の四つの壁全体にオシラサマが飾られていた。下はiPhoneでパノラマ撮影したもの。

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オシラサマ(遠野伝承園)
オシラサマにはさまざまな伝説があり、柳田國男の『遠野物語』には次のような箇所がある。

六九 今の土淵村には大同という家二軒あり。山口の大同は当主を大洞万之丞という。この人の養母名はおひで、八十を超えて今も達者なり。佐々木氏の祖母の姉なり。魔法に長じたり。まじないにて蛇を殺し、木に止れる鳥を落しなどするを佐々木君はよく見せてもらいたり。昨年の旧暦正月十五日に、この老女の語りしには、昔あるところに貧しき百姓あり。妻はなくて美しき娘あり。また一匹の馬を養う。娘この馬を愛して夜になれば厩舎に行きて寝ね、ついに馬と夫婦になれり。或る夜父はこの事を知りて、その次の日に娘には知らせず、馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は馬のおらぬより父に尋ねてこの事を知り、驚き悲しみて桑の木の下に行き、死したる馬の首に縋りて泣きいたりしを、父はこれを悪みて斧をもって後より馬の首を切り落せしに、たちまち娘はその首に乗りたるまま天に昇り去れり。オシラサマというはこの時より成りたる神なり。馬をつり下げたる桑の枝にてその神の像を作る。その像三つありき。本にて作りしは山口の大同にあり。これを姉神とす。中にて作りしは山崎の在家権十郎という人の家にあり。佐々木氏の伯母が縁づきたる家なるが、今は家絶えて神の行方を知らず。末にて作りし妹神の像は今附馬牛村にありといえり。

飼い馬に恋をした娘を案じ、馬の首をはねてしまうという、なんとも恐ろしい伝説だ。

この伝説の写真作品が、伝承園内に貼られていた。この物語は『遠野物語』で読んでいただけに、ビジュアルとなって目に焼いついてしまった。

オシラサマ伝説(遠野伝承園)オシラサマ伝説(遠野伝承園)

ところで、遠野の郊外は食事ができる場所がとても少ない。早池峰神社から遠野伝承園まで17キロほどあるが、ほとんど飲食店がなかった。伝承園の食堂でようやく昼食にありつけた。

ひっつみとけいらん(遠野伝承園)
遠野のすいとん「ひっつみ」と小豆のこし餡を餅粉の皮で包み茹であげた「けいらん」の定食(1200円)を食べた。さっぱりとした田舎料理だった。

遠野伝承園


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