八丈植物公園で多様な東京の自然を感じる – 八丈島旅行(9)

八丈植物公園エントランス(八丈島)
八丈植物公園メインエントランス

山と海、多様な東京都の自然

八丈島に4泊5日滞在して気がついたのは「東京都は多様であること」。奥多摩の山岳地帯と八丈島では、同じ9月であっても季節の趣がひと月ほど時差があった。

9月末、東京都心の気温はジャケットを羽織りたい頃合いだったが、八丈島はTシャツ1枚で十分。東京都心の8月下旬のような気温だった(ただし、夜はとても涼しくなった)。

また、何より違いを感じたのは植生。スギやヒノキなど針葉樹に覆われた奥多摩の山々と比べて、八丈島はタブノキ、ヤブニッケイなど、葉が肉厚の常緑樹が中心。

街路樹の低木は、東京都心ではツツジやジンチョウゲなどをよく見かけるが、八丈島ではハイビスカスで統一されていた。

ハイビスカス(八丈島)
道路沿いに植えられたハイビスカス

「八丈の森」で常緑樹林の濃密な空気を深呼吸

東京都の多様な自然を体感できるのが八丈植物公園。レンタルスクーターでのツーリングの休憩がてら、1時間ほど滞在した。

場所は島の中心部、八丈島空港の隣にある。約22.4haの広大な敷地に、約100種類の熱帯・亜熱帯の植物が「展示」されていて、世界の森ゾーン、日本の森ゾーン、林間ゾーン、温室などにゾーニングされており、ゾーンごとに植物が異なる。

中でも八丈の森ゾーンが見応えがあった。公園が整備される以前、このあたりの森では素焼きが行われていたそうで、オオシマザクラ、タスダジイ、タブノキ、イミンタチバナなど、もともとの雰囲気が残っている。

オオシマザクラはかつて炭焼の材料として用いられ、一つの株から複数の幹が出ている「株立ち」している木は、薪や炭のために伐採された名残りらしい。一方、スダジイやタブノキの樹皮は島の織物の染料に使われる。

常緑樹に覆われた森は、奥多摩のスギやヒノキの林とは違った濃密な空気だった。思わず何度も深呼吸した。

八丈植物公園(八丈島)
八丈の森エリア
八丈植物公園(八丈島)
展示されている樹木にはQRコード付きの説明札が付いていた

小型の鹿「キョン」を初めて見た

最近、房総半島と伊豆大島で大繁殖し、農作物やガーデニングに被害を与えている小型の鹿「キョン」。眼の下に臭腺あって、開口した部分がもう一つの眼のように見えるので、四目鹿(ヨツメジカ)ともいわれている。

もともと台湾や中国南東部に生息していたが、日本では観光施設、動物園から逃げ出して野生化したのが繁殖の原因。

八丈植物公園にはキョンの飼育園があった。1967年に井の頭自然動物公園からオス、メス2頭を譲り受けのが飼育の始まりという。キョンを実際に見るのは初めてだ。

キョン・八丈植物公園(八丈島)
角を持つオスのキョン

すっかり悪者になってしまったキョンだが、檻の中をかける姿は愛らしい。人懐っこく近づいてくる。私のような直接被害を受けていない者には、人情的にはどうも駆除する気になれない。

檻の周りは地元の子ども連れでにぎわっていた。どうか、ここから逃げ出すことがないように。

キョン・八丈植物公園(八丈島)
餌を求めて近づくキョン

東京都内に6つある「自然ふれあい公園」

八丈植物公園は半日滞在してもよいくらい素敵な場所だった。広大な敷地かつコロナ禍の最中であるにも関わらず、非常によく整備されていた。

園地ゾーンのきれいに刈られた芝の上に寝転がって、風の音を聴きながら空を流れる雲を眺める、旅ならではの時間を過ごせた。

八丈植物公園(八丈島)

ちなみに八丈植物公園は、東京都が運営する「自然ふれあい公園」の1つ。

自然ふれあい公園は都内に6つあって、そのうち4つは島しょ部にある。財政基盤のある東京都の離島対策だけに、しっかり整備されているのかも。残りの5つもぜひ訪れてみたい。

【東京都立自然ふれあい公園】

  • 大島公園(海のふるさと村):大島町泉津
  • 多幸湾公園:神津島村榎木が沢
  • 羽伏浦公園:新島村檜山
  • 奥多摩湖畔公園(山のふるさと村):西多摩郡奥多摩町川野
  • 八丈植物公園:八丈町大賀郷
  • 小峰公園:あきる野市留原、高尾

八丈植物公園
東京都八丈島八丈町大賀郷
通年開園(ビジターセンターは9:00〜16:45、温室は9:00〜16:30)
年中無休
TEL:04996-2-4811
八丈植物公園公式サイト

Googleマップで八丈植物公園の場所を確認


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