「地層大切断面」で地質への関心がムラムラ – 伊豆大島旅行(6)
「地質」への興味が自然に湧く伊豆大島
伊豆大島の旅では地質への関心がムラムラと湧いた。これまでいろんな島を旅した中で、植物や昆虫など、その島ならでは生物に興味を持ったことはあったが、地質には無頓着だった。
伊豆大島は活火山の島ゆえ、いたるところで大地の鼓動がむき出しになっている。なので島を旅すると、自然に地質への興味がふくらむ。
地質への興味という点では、三原山火口と「地層大切断面」が印象に残る。三原山の感想は下に書いた。
伊豆大島の年輪「地層大切断面」
「地層大切断面」は島南西部の海岸、大島一周道路沿いにある。伊豆大島の末端をナイフで切り落としたような崖が、高さ最大24m、長さ630mに渡って続く。さながら、巨大なバームクーヘンの切れ端のような光景だ。
これは、過去、百数十年の周期で起きた大噴火の際に飛び散った火山灰が堆積したもの。伊豆大島がメインだが、中には新島・神津島からの火山灰も含まれているとのこと。「伊豆諸島の年輪」ともいえようか。
地層面をよく見ると、黒色・薄い黄土色・茶色と大まかに三色に分かれている。色の違いは、噴火の際、空中に飛び散った溶岩が急激に冷えて砂礫となったスコリアや火山灰、腐植土と、異なった成分によるもの。
並行に積もっている場所もあれば、途中で層そのものが途切れた場所もある。地質学者はこの文様を観察することで、1万5000年の間の火山活動を推測するらしい。
地層大切断面、かつて元町港と波浮港の移動は海上交通が主で、1953年に大島一周道路建設で道路を拡幅する際に発見された。有数の観光名所で、大島一周道路沿いの歩道を多くの旅行者がたむろしていた。
利島・新島の眺望もよし
私は島南部の波浮港から元町港へバスへ向かう途中で下車した。バス停は「地層断面前」。13時45分に下車し、1時間後の次のバス、14時45分発に乗車した。
地層大切断面は見応えのある光景ではあるが、地質学者ではないので、さすがに1時間ずっと眺めることはなかった。
地層大切断面の逆側、海に目を向けると、同じ伊豆諸島の利島(としま)・鵜渡根島(うどねじま)・新島(にいじま)が間近に見渡せる。高台にあり、カモメやトビが飛ぶ姿を眺めつつ、開放感のある待ち時間を過ごすことができた。
2022年春 伊豆大島旅行の記録
【1】早朝の元町港、源為朝の館跡と弘法浜を散歩
【2】三原山登山、活火山を実感
【3】泉津の切り通しと波治加麻神社を散歩
【4】大島公園海岸遊歩道を踏破
【5】サンセットパームラインをレンタサイクルで往復
【6】「地層大切断面」で地質への関心がムラムラ
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