感想/司馬遼太郎『アームストロング砲』

司馬遼太郎『アームストロング砲』

新装版 アームストロング砲(講談社文庫)
著者/司馬遼太郎 発行/講談社

以前、『殉死』が『坂の上の雲』の後書きのようなもの、と書きましたが、この短編集『アームストロング砲』は、『竜馬がゆく』の副読本といったところでしょうか。

『竜馬がゆく』は、坂本龍馬、桂小五郎、勝海舟など、大物役者が演ずる近代史の表舞台を描いたロングランミュージカル。一方、『アームストロング砲』は、渋い脇役たちのエピソードを集めたオフブロードウェイのミュージカルでしょう。

主人公は、天誅組に攻められて命を落とす五条代官所の地方役人、明治維新のどさくさで大もうけをする浪速の侠客、新撰組の目明かし、江戸の二流剣士などなど。幕末を飾った脇役たちの一瞬の光彩、龍馬や西郷どんより私は共感できました。


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