ITとは「インフォメーションテクノロジー」

「CNNとは何だね?」
「ケーブル・ニュース・ネットワークです」
「CNN、FDR、IMF、DMZ、CIA、それらを略語で呼ぶようになって、それに慣れてしまうと、本来の意味が失われることがある、必ず若いうちはフルネームでいいなさい」

村上龍『五分後の世界』より

XML、RSS、RDF‥‥インターネット業界には、三文字の略語が氾濫しています。果たして、何人のWebプロデューサーがこれら用語をフルネームで言えるでしょうか。

最近、私は、デジタル用語を意識的にフルネームで言うようにしています。例えば、IT。職場では、なるべくインフォメーションテクノロジーと呼んでいます。インフォメーションテクノロジーとは、「デジタル技術で情報を加工し、今までにない価値を生み出す」と私なりに定義づけています。

しかし、「IT」と略語にすると、言葉の持つ意味性が希薄になり、ともすれば華やかなフラッシュコンテンツを作ることや、多彩なアプリケーションの機能を揃えること、と捉えられがちです。紙媒体のグラフィックデザインを、Web媒体のフラッシュモーショングラフィックスに置き換えたところで、それは「今までにない手法」にほかなりません。一番大切なことは、「今までにない価値を生み出す」だと思います。

村上龍「五分後の世界」

五分後の世界(幻冬舎文庫)
著者/村上龍  発行/幻冬舎


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