コリン・フレッチャー『遊歩大全』 – 私の旅心を刺激した7冊(その4)

旅行ライター・伊藤伸平さんからの「7日間ブックカバーチャレンジ」のバトン、私の「旅心」を刺激した本の4日目は、コリン・フレッチャー著、芦沢一洋訳『遊歩大全』です。

コリン・フレッチャー『遊歩大全』

米国での初版は1968年(日本語翻訳の発行は1978年)。かつて「バックパッカーのバイブル」といわれたアウトドアの古典です。1960年代後半〜70年代前半、ベトナム戦争の厭戦により自然への回帰がうたわれた、カリフォルニアの空気が強くにおいます。

“バックパッカー”というと、自由気ままな放浪の旅のイメージがありますが、彼の主張は極めて良識的。例えば、「行く先と帰る日時を信頼できる人に教えておくこと」「自分自身の安全のためばかりでない。期日までに戻らなければ、誰だって捜索に向かうだろう」等。無謀な旅を強く戒めています。

とにかく、二本の足で大地を踏みしめ、世界を歩いていくための実践的なノウハウがいっぱい。グッズ、ツールに関する彼の考察や一家言も、今なお参考になります。

例えば、こんなこと。

  • 靴下はこまめにはき替える。弾力性、吸汗性、断熱性、履き心地を考えると、最良の素材はウール。
  • 旅のよろこびも楽しみも一挙に奪ってしまうのが「まめ」。予防は出発前から足を鍛えること。
  • 堅牢なフレーム&バッグを。シンプルさこそベスト。
  • 炎暑の砂漠では、水なしのサバイバルリミットは48時間。最低、水筒一本分の水を持参する。
  • 寝室の天井あるいは屋根として最善なのは空そのもの。 マットレスは防寒、体力回復のために必須

実はこの本、ずいぶんと昔の図書館で読んだきり、存在を忘れていました。ところが、2012年に山と渓谷社から文庫本として復刊しているのを知り、早速購入。976ページ! 厚さ3.5センチ! はっきりいって持ちにくい!

でも、よいのです。バイブルなので、ベッドの側に置いて、寝る前に時折、読み返してます。

私の旅心を刺激した7冊


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