会津の空を覆う桜―石部桜を見上げる
一泊二日の福島県の桜を巡る旅の最後に、会津若松の石部桜(いしべざくら)を訪れた。
大河ドラマ『八重の桜』のオープニングに登場したことで知られる桜である。樹齢約650年といわれるエドヒガンで、室町時代の会津の領主・葦名氏の重臣、石部治部大輔(いしべ じぶだゆう)の庭にあったと伝えられている。幹は十本に分かれ、枝張は最も広いところで約20メートルに及ぶ。
案内板によれば、五代藩主松平容頌は桜を保護するために周囲に柵をめぐらせており、その様子は幕末に描かれた城下絵図にも残されているという。江戸時代から名木として大切に扱われてきたことがうかがえる。
昭和四十三年九月十八日指定
市指定天然記念物石部桜
会津若松市一箕町大字八幡字石部
樹齢約六百年と推定されるエドヒガンで、樹高十一メートル、枝張十九メートル、胸高周囲〇・五メートルから一・二メートルの十本の幹から成る。
当時、この付近は領主蒲生家の重臣石部氏の屋敷で、その庭にあったとの伝承から「石部桜」と名づけられた。
江戸時代から名木として知られており、花が満開の時期には藩主をはじめ多くの人が訪れた。
また、五代藩主松平容頌は、桜を保護するために周囲に柵をめぐらせており、その様子が幕末に描かれた城下絵図に描かれている。平成二十五年二月
会津若松市教育委員会
離れた場所から眺めれば、その姿は雄大である。しかし、幹のそばに立ち、見上げると印象は一変する。写真のように、頭上いっぱいに桜の花が広がり、青空とのコントラストがひときわ美しい。
坂本龍一作曲の『八重の桜』のテーマ曲は、数ある大河ドラマのオープニングの中でも重厚な趣があった。この桜の前に立つと、どうしてもあの旋律を思い出してしまう。
2026年の花見の最後を飾るにふさわしい桜だった。













