Discordをメモ帳として使う―独り言のように残せる、発想の置き場

Discordは一人で使っても便利なツール

Discordアイコン
Discordのアイコン

 Discordというと、ゲームやコミュニティ運営のためのコミュニケーションツールという印象が強い。複数人で集まり、チャットや音声通話を通じてやり取りする場、という理解が一般的だろう。だが、私にとってのDiscordは少し違う。人と話すための道具であると同時に、一人でアイデアをメモするための場でもある。

 ブログの記事の題材は、机に向かって考えるときよりも、日常のふとした瞬間に浮かぶことが多い。庭を眺めているとき、電車に乗っているとき、本や雑誌を読んでいるとき。その場で長い文章を書くほどではないが、一言だけ残しておきたい。そういう断片を受け止めるのに、Discordのチャット形式がちょうどよかった。

ブログのネタは、まず一言だけ書いておく

 自分専用のサーバーの中に、「記事ネタ」というチャンネルをひとつ作ってある。そこに、思いついたことを一行だけ書く。「ブログは今や古民家的パーソナルメディアか」「サンスペルのTシャツの着心地のよさ。金曜はグリーン車で帰宅」「スイセンの生命力」「社会的資本としての芸術」「廃校とアート」「10キロの山歩きにスポーツジムを活用」「山の中で見た動物の痕跡」「Discordを利用したメモ」といった具合に、本当に断片的なメモばかりである。

 だが、この断片が役に立つ。記事のテーマは最初から完成形で現れるわけではなく、あとで広げられそうな視点や言い回しの種として、まず短く現れることが多い。ノートアプリを開いてタイトルをつけ、整理して書こうとすると少し構えてしまうが、Discordでは誰かに話しかけるような感覚で打ち込める。メモというより、独り言に近い。その気軽さが、思考の初期段階にはちょうどよい。

Discordのメモ帳
Discordを使った私のブログ用メモ

時系列で並ぶから、思考の流れが見える

 もうひとつ便利なのは、すべてが時系列で並ぶことだ。アイデアは整理された形で生まれるわけではない。ある日ひとつのテーマを思いつき、数日後に別の角度から補助線が引かれ、また別の日に題名だけが浮かぶこともある。Discordでは、それらが発生した順にそのまま積み重なっていく。そのため、あとで見返すと、自分の関心がどのように動いていたのかがわかる。

 実際に記事として書いたものには、私は消し線を引いている。未着手のものと、すでに書いたものが一目で区別できるからだ。削除してしまわずに残しておけるので、あとから見返すと、その時期の関心の流れも追える。Workflowyは考えを広げるのに向き、Evernoteは情報をまとめるのに向いている。しかし、整理する前の思いつきをそのまま置くには、私にはDiscordくらいのラフさがちょうどよい。人とつながるためのツールを一人で使う。少し変わった使い方だが、アイデアの置き場としては、なかなか具合がよいのである。

Discord 公式サイト