感想/城山三郎『辛酸~田中正造 足尾鉱毒事件』

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城山三郎『辛酸』辛酸―田中正造と足尾鉱毒事件(角川文庫)
著者/城山三郎 発行/KADOKAWA

日光から華厳の滝に向かわず、国道122号線を南下。日足トンネルを抜けると、足尾町に入ります。自動車を走らせながら、左側に目をやると、エメラルドグリーンの小川に目を奪われます。これは足尾銅山の名残、青銅の渡良瀬川です。1890年(明治24年)、田中正造が帝国議会で鉱毒問題を訴えてから1世紀すぎてなお、鉱毒の爪痕を感じさせられる場所です。

さて、小学校の教科書で習った田中正造と足尾鉱毒事件は、ともすれば正造の「伝記」として語られがちです。この小説では、谷中村民、鉱毒事件の被害者が真ん中にすえられています。「第一部 辛酸」は明治天皇直訴後、正造の晩年と死。「第二部 騒動」は、正造死後、自らの意志で続ける村民たちの激しく、悲しい闘い。クライマックスの第10章は圧巻、心臓が震えました。文句なしにおすすめできる一冊です。