書評・感想文

司馬遼太郎『殉死』
2004年は日露戦争開戦100周年ということで、昨年は司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』にスポットが当たりました。書店で、平積みされている光景をよく目にしました。2007年に、NHKでドラマ化が予定されているそうですが、確かに『坂の上の雲』は、 ...

書評・感想文

城山三郎『辛酸』
日光から華厳の滝に向かわず、国道122号線を南下。日足トンネルを抜けると、足尾町に入ります。自動車を走らせながら、左側に目をやると、エメラルドグリーンの小川に目を奪われます。これは足尾銅山の名残、青銅の渡良瀬川です。1890年(明治24年) ...

書評・感想文

倉橋由美子「ヴァージニア」
Excite:<訃報>倉橋由美子さん69歳=作家 倉橋由美子さん、亡くなりました。ちょっとショック。 高校2年生くらいの時に、彼女の小説を初めて手に取りました。新潮文庫、幾何学的な装幀があまりに素敵だったから。私にとって一番の作品は「ヴァー ...

雑記

村上龍「五分後の世界」
「CNNとは何だね?」 「ケーブル・ニュース・ネットワークです」 「CNN、FDR、IMF、DMZ、CIA、それらを略語で呼ぶようになって、それに慣れてしまうと、本来の意味が失われることがある、必ず若いうちはフルネームでいいなさい」 村上龍 ...

書評・感想文

ベルンハルト シュリンク『朗読者』
「ブリキの太鼓」と並ぶ、現代ドイツ文学の代表作。前半は、15歳の少年「僕」と30代女性「ハンナ」の激しい情事。後半は、第二次大戦後、明らかになるナチスのホロコーストをめぐる苦悩。 重いテーマを、少年の回想により淡々と描いている。少年期、大人 ...

書評・感想文

村上龍『ラッフルズホテル』
その昔、村上龍氏が監督、根津甚八と藤谷美和子、本木雅弘が主演した同名の映画を観ましたが、正直、ひどい作品でした。 これは映画の後に書かれた小説です。が、映画の100倍ほどよいです。元戦場カメラマンの実業家、刈谷俊道、新進女優、本間萌子、旅行 ...