「ちゃありんぼ」と新入社員
子供の頃、当たり前のように使っていたのに、大人になってまったく通じない言葉がある。例えば「ちゃありんぼ」。近所の兄弟姉妹で鬼ごっこや缶蹴りをする際、ルールが分からなかったり、まだ小さくて速く走れないので、鬼になるのは免除して、適当に一緒に遊んであげる子供のことだ。「ちゃありんぼ」は、自分がちゃりんぼであっても元気に走り回っていた。
「ちゃありんぼ」は東大阪市西部、大阪市東成区の方言だとは知らなかった。全国的には「ごまめ」「おまめ」「みそっかす」というらしい。
しかし、「ごまめ」「みそかっす」と言葉には、“のけ者”ようなニュアンスがあって、私はあまり好きではない。その点「ちゃありんぼ」という言葉には、物心つかない幼児への愛ある眼差しを感じる。ただ、実際、鬼ごっこや缶蹴りをする際、「ちゃありんぼ」が機能するのは、分別の付く小学5、6年生くらいの女子リーダーの存在が必要だった。
「ちゃありんぼ」というのは素晴らしいシステムだと思う。子供社会(=組織)に属するだけで、わけがわからなくても何だか楽しい。そして、いつの間にか「ちゃありんぼ」を卒業し、次の「ちゃありんぼ」(たいてい誰かの弟や妹)を迎え入れる。
会社の新入社員においても、5月中旬、早ければ新人研修を終えて、新卒社員が部署に配属される頃だ。「ちゃありんぼ」のように、ただ属することに楽しみや喜びが感じられる、そんな部門も素敵だと思う。甘いだろうか。