ソウル江南のテヘラン路

ソウルは中心を流れる漢江を挟んで、景福宮や南大門のある江北エリアと、1980年代以降、急激に発展した江南エリアに、大きく分かれます。趣があるのは江北エリアなのですが、出張でソウル来ると、空港から高層ビルが建ち並ぶ江南のオフィス街に入り、翌日または翌々日に空港へ向かうため、なんだか表東京と裏東京を鏡ですり抜けたような気分になります。

今回の出張の訪問先のパートナー企業は、江南のテヘラン路にあります。初めてこの通りの名前を聞いたとき、漢字にするとどう書くのだろうと不思議に思ったのですが、イランの首都テヘランのことだそうです。1977年にイランと韓国の間で、友好のため、テヘランにソウル路、ソウルにはテヘラン路を定めたとのこと。

テヘラン路には、韓国のインフォメーションテクノロジー関連企業が集まり、テヘランバレーとか呼ばれています。ただ、面白いのが、テヘラン路に面した表通りは、ガラス張りの現代的な高層ビルが建ち並んでいるのですが、ひとつ裏側の筋に入ると、カジュアルな居酒屋街になっていて、そのまた一つ奥の筋に入るとカップルホテルがいっぱい‥‥。友人に尋ねてみると、「仕事を終えて、夕食を食べて、その後は‥‥」というのがシームレスになっている、と苦笑していました。