ビジュアル系ソプラノ、ヒルデガンド・ベーレンス

バイエルン国立歌劇場『ニーベルングの指輪』

楽劇『ニーベルングの指輪』 [DVD]
指揮/ヴォルフガング・サヴァリッシュ
管弦楽/バイエルン国立歌劇場管弦楽団
歌手/ヒルデガルト・ベーレンス、ルネ・コロ、ロバート・ヘイル

今日もクラシック音楽ネタ。

実は私、ワグネリアンです。いま風にいうと、ワグナー原理主義者とでも申しましょうか。ジークフリートのライトモティーフを耳にしただけで、鳥肌が立ちます。バイロイトへは行ったことはありません。ワグナー原理主義者にとっては「聖地」ですから、メッカ、エルサレム、ラサみたいなもの。一生に一度の思いを込めて、出かけるものだと考えています。

とはいえ、CDでワグナーを聴く分には純粋な芸術として対することができるのですが、DVDだとビジュアルに目が行き、どうしても邪心が出てきます。特に、ソプラノ。オペラ歌手って、宇宙大怪獣ベムスター、あるいはサントリーオールドみたいな容姿の人が多くて(失礼)、どうしても感情移入ができないのです。ストーリー上の設定は、蝶々夫人は15歳の少女、『ラ・ボエーム』のミミはパリのお針子ですよ! 15歳の芸者の少女とベムスターの間には、埋めることができない溝があります。

そういう点で、私がビジュアル的にも、音楽的にも心ときめいたソプラノ歌手が、ヒルデガンド・ベーレンスです。1983年、バイロイト音楽祭、久しぶりに上演された『ニーベルングの指環』で、スリムな彼女が演じたブリュンヒルデは本当に美しかった。気高きワルキューレの女戦士、10代の私の“萌え”体験です。

ベーレンスは1937年生まれだから、今年70歳。老いたるブリュンヒルデを思う夜……。


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