感想/キース・ジャレット『ケルンコンサート』

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キース・ジャレット『ザ・ケルン・コンサート』ザ・ケルン・コンサート
演奏/キース・ジャレット
レーベル/ユニバーサル ミュージック

たまには、音楽ネタでも。

10代、クラシック音楽を好きになり始めた頃は、交響曲にしろピアノソナタにしろ、「起承転結」がないと好きになれませんでした。ベートーベンの5番やブラームスの1番の交響曲って、わかりやすい「起承転結」型ですね。それに比べると、ブルックナーの交響曲は、初めて聴いたとき、青木ヶ原樹海に迷い込んだみたいで、いったいいつまで続くんだ、と途方に暮れる思いでした。ところが30代を過ぎて、仕事で毎日がとてつもなく忙しくなると、「起承転結」系よりも、「音の樹海」系の方がよくなりました。つくづくブルックナーは、大人の音楽だなと思います。

このアルバムは、4つのパートからなる約70分間の即興演奏ではありますが、起承転結系ではなく、大人の休日に心地よい樹海系音楽です。例えば、ひがな一日、砂浜でさざ波を眺めることができるとします。視界のフレームは同じ位置なのに、朝、昼、夕方、夜と、空の色は移ろい、波も時間の経過と共に表情を変える。そんなアルバムです。

最近、夜中にクルマを飛ばして実家の大阪に帰った際、このケルンコンサートを小さなボリュームで聴きながら、夜明け、ガラガラの伊勢湾岸自動車道を走りました。とびきりぜいたくな大人の時間でした。