コンテンツマネジメントシステム「ポンあげ」

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文藝春秋』の6月号特別企画「証言1970-72」に、元『アンアン』編集長の甘糟章氏が“証言”されています。

創刊のときの苦労話をひとつ。今でこそ、アンアンの判型の雑誌は満ちあふれているけれども、当時は日本にはまったくなかったのです。創刊編集長の清水達夫が、独自の美意識でこのサイズにこだわっていました。

ところが当時は大手の印刷所でも、アンアン・サイズの印刷機はありませんでした。あれころ苦労した末に『アンアン』の将来に掛けてくれた千代田グラビヤが、アンアン・サイズの印刷機を輸入し、用意してくれたことは忘れられない思い出です。

私も、Webマガジン「エキサイトイズム」の立ち上げの思い出を一つ挙げるなら、プロデューサーとの企画・編集面での議論もさることながら、エンジニアとの簡易コンテンツマネジメントシステムの開発が思い出深かったりします。

個人のホームページなら、無料ホームページサービスやレンタルサーバで運営可能ですが、エキサイトのようなポータルサイトの場合は、何台ものサーバや複雑なシステムが絡み合う堅牢なものになっています。Webサーチや翻訳といったサービスの更新は、エンジニアの作業が必要です。

ところが、Webアプリケーションサービスと違って、エキサイトイズムやガルボのようなメディア系コンテンツの場合(私は「ぺらもの」と呼んでいます)、エンジニアの関与を必要とせず、プロデューサーや編集者が簡単にポンポンとページがアップできる、機動的なシステムやサーバ群が望まれます。

加えてエキサイトイズム、ガルボの作り手は、雑誌や書籍出身の編集者が多いため、HTMLの知識がなくとも、コンテンツがアップできる簡単な操作性を持つコンエンツマネジメントシステムが必要でした。

そんなニーズに応えるべく、社内のエンジニアが開発したのが「ポンあげ」というシステムでした。本当はもっと難しい名前がついているのですが、エキサイトのプロデューサーは、このシステムに親しみを込めて「ポンあげ」と呼んでいます。ちなみに「誰でもボタン1つで、ポンっとサーバにアップできるシステム」という意味です。

このシステムの完成により、イズム、ガルボ、ウーマンエキサイトのプロデューサー、編集者は、HTMLの基礎的知識がなかっても、制作会社から納品されたデータを、簡単にテスト環境でチェックしたり、同時に複数のライブサーバにアップできるようになり、アクセス解析も可能になりました。

「ポンあげ」システムがなければ、エキサイトイズムもガルボも創刊することはできなかったですし、今、エキサイトが得意とする編集タイアップによる広告売上の拡大も見込めませんでした。

エキサイトイズム「アートシティ・北京」
メディアづくりとは、編集企画やページ制作もさることながら、印刷、用紙といったプロダクトやシステムへの関わりこそ大切だな、と文藝春秋の記事を読みながら思いました。

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コメント

  1. MAO より:

    最近盛んなメディア議論では、こうしたメディアを支えるバックボーンの話が弱いので、どうしても空理空論に聞こえるのです。
    アヒルの水掻きの重要さですね。
    ぼくらの方はお金のないナノカンパニーだから、極力低コストで簡便に運用できる体制を先ず考えないといけない。これが将来きっと役に立つと信じているのですが……。
    まだ風が弱くて、勢いよく船出とは行かないところがじれったい。