「トルツメ」が伝わらない

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雑誌「ウレぴあ」校正紙
雑誌、書籍の編集現場からWebの制作現場に来て困ったことといえば、校正記号が伝わらないことでした。校正記号は、書籍、雑誌編集だけでなくカタログやポスター等、広告制作においても暗黙の了解事項と思っていましたから、インターネットビジネスに関わりだした頃、Webデザイナーやエンジニアにその意味をわかってもらうのに苦労しました。

見出しに「トルツメ」の指示を書き込んだところ、指定した文字を削除して詰めるのではなく、イラストレーターのカーニング(文字詰め)のチェックボックスを外し、「ベタ打ち」で仕上がったことがありました。確かに「詰め」を「取る」からトルツメですね。今、思い出すと笑い話です。

ところで、校正記号は「出版社(発注者)から印刷会社・写植会社(受注者)へ」という商取引の関係性のもとに成立しています。「トルツメ」にせよ「Photoシャープに」にせよ、発注者から受注者への一方的な情報伝達のためのツールにほかなりません。従って、社内において並列関係である「プロデューサー(企画者)からデザイナーやエンジニア(制作者・開発者)へ」の伝達にはどうも不向きなようです。これは、以前に勤めていた出版社で、社内にDTP制作チームを作って内製化した際も、同じような問題がおきました。オペレーションのマネジメントを任された編集者が無意識のうちに持つ、「キミになぜ指示されなければならないの?」という感情的なしこりです。

したがって、円滑に制作作業を“お願いする”ためには、校正記号をオブラートに包む必要が出てきます。

「トルツメ」 → 「この文字を削除してツメてください」
「改行マーク」 → 「ここで改行してください」
「<   >」 → 「この1行をツメてください」

まどろっこしくて仕方がありませんが、商取引の関係がない以上、こういう心遣いはどうしても必要です。

また、Webデザイナーやエンジニアにとっては、出版業界(というより紙媒体)のルールをWeb制作の現場に持ち込むことへの感情的な反発も感じられます。私の場合、反論として、校正記号は日本工業規格(JIS)「校正記号表」を根拠に、校正記号はエンジニアリングの領域であることを主張したりもしましたが。

校正記号のような業界標準の便利ツールを、Web制作の現場でも一つひとつ作っていきたいです。